残された人のための葬儀

人が亡くなるとほとんどの場合は葬儀が行われます。普段はあまり宗教にこだわらない人も、宗教の流れに沿った儀式を行います。身内の不幸などめったに遭遇しない出来事ですので、いざその時がきたらどうしたらいいのか、お金のこと、宗教のこと、参列者のことなど考え出すと途方にくれます。面倒なことはせずに簡単に済ませたい、お金や時間をかけることは無駄だと考える人も多いようです。

自分の死後のことを思ったとき、家族に迷惑をかけたくないので葬儀などやらなくていいと考えている方もいるでしょう。葬儀を行う意味とはどのようなものなのでしょうか。人は誰でも社会の中の一人として生活しています。その一人が亡くなったのですから、亡くなったことでどこかに影響を与えます。

社会的にその人の死を知らせ、確認するための儀式として葬儀を行います。亡くなった方が生前どのような人間関係でつながっていたのか、親族は知ることができ故人のことをより深く知ることができます。家族や親しい人にとっては大切な人の死ですから、その状況を簡単に受け入れられない場合も多いでしょう。心の整理がつくまで、長い時間を要することと思います。

亡くなった人に寄り添いながらも、生きている限りは前へ進まなければなりません。涙を流し、悲しみ、それでもお別れしなければなりません。その一つの過程として故人とのお別れの儀式を行います。葬儀は残された人の心の整理をすることにもつながっています。